やせるには何をすればよい?食事・運動・生活習慣・基礎代謝を上げる方法をわかりやすく解説

「やせたいけれど、何から始めればよいかわからない」と感じている方は多いのではないでしょうか。

やせるためには食事管理・運動・生活習慣の改善という3つの柱を組み合わせることが重要であり、どれか一つに頼るよりも3つを同時に整えることで体脂肪を効率よく減らしながらリバウンドしにくい体をつくることができます[2]。

食べないことで基礎代謝が低下して筋肉量が落ち、かえって太りやすい体質になるリスクがあることは、厚生労働省 e-ヘルスネットをはじめ多くの研究で指摘されています[4]。

本記事では、やせるための基本的な仕組みから、正しい食事管理・効果的な運動の取り入れ方・基礎代謝の上げ方・リバウンドを防ぐ継続のコツまでを順にお伝えします。

正しい知識をもとに無理なく続けられる取り組みを一つひとつ実践して、長期的にやせやすい体づくりを目指しましょう。

目次

やせるための基本的な仕組み

やせるために何をすべきかを正しく理解するためには、まず「摂取カロリーと消費カロリーのバランス」「基礎代謝の役割」「健康的な減量ペースの目安」という3つの基本を押さえることが重要です。

この仕組みを理解せずに取り組みを始めると、体重が一時的に減っても筋肉量の低下・基礎代謝の減少・リバウンドという問題が生じやすくなります[2]。

摂取カロリーと消費カロリーのバランス

やせるための根本的なメカニズムは、摂取カロリーと消費カロリーのバランスによって決まります。

摂取カロリーが消費カロリーを上回り続けると、余剰エネルギーが体脂肪として蓄積されて体重が増えます。

逆に消費カロリーが摂取カロリーを上回る状態が続くと、蓄積された体脂肪がエネルギーとして消費されて体重が減っていきます[2]。

やせるためには「消費カロリー>摂取カロリー」の状態を無理なく継続することが基本です

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、年齢・性別・身体活動レベルごとに推定エネルギー必要量が示されており、この数値から1日200〜500kcal削減した値を目標摂取カロリーとして設定することが推奨されます[1]。

消費カロリーは基礎代謝量(約60%)・身体活動(約30%)・食事誘発性熱産生(約10%)の3つで構成されており、このバランスを理解することが効果的なやせ方を選択するうえでの出発点となります[3]。

基礎代謝が体重管理に与える影響

やせるうえで基礎代謝の役割を理解することは非常に重要です。

基礎代謝量とは、安静な状態でも呼吸・体温維持・内臓の働きなど生命を維持するために消費される最低限のエネルギー量であり、1日の総消費カロリーの約60%を占めます[3]。

基礎代謝量が高いほど安静時にも多くのカロリーが消費されるため、同じ食事量でも体脂肪が燃えやすいやせやすい体質をつくることができます。

基礎代謝量には個人差がありますが、筋肉量が多い方が基礎代謝量も高くなる傾向があります。

これは筋肉が1日のエネルギー消費のうち約22%を占めており、筋肉量を増やすことが基礎代謝量を高める直接的なアプローチとなるためです[4]。

基礎代謝量は男性では15〜17歳・女性では12〜14歳でピークを迎えた後、加齢とともに低下していくことが報告されており、年齢とともにやせにくくなると感じる方の多くは基礎代謝量の低下が一因となっています[4]。

健康的なペースで体脂肪を減らす目安

やせるための取り組みを計画するうえで、無理のない減量ペースの目安を把握しておくことが重要です。

日本肥満学会「肥満症診療ガイドライン2022」では、月に0.5〜1kg程度のペースが長期的にリバウンドしにくい安全な減量ペースとして推奨されています[6]。

体脂肪1kgを減らすためには約7,200kcalのエネルギー収支のマイナスが必要です。

月1kg減量を目指す場合、1日約240kcalのカロリー削減が目安となります[2]。

1日240kcalの削減は、食事で120kcal減らして運動で120kcal消費するという組み合わせが無理なく継続しやすい方法です

成人女性で1日1,200kcal・成人男性で1日1,500kcalを下回る食事は、筋肉量の低下・基礎代謝の減少・栄養不足のリスクが高まるため避けることが推奨されます[2]。

まず自分のBMI(体重kg÷身長m²)と目標体重を確認したうえで、月0.5〜1kgのペースを目安に無理のない計画を立てることが、やせるための第一歩となります。

やせるための食事管理

やせるための取り組みのなかで、もっとも大きな影響を与えるのが食事管理です。

運動だけで体脂肪を減らそうとすると消費カロリーの増加には限界があるため、食事管理と運動を組み合わせることが効果的ですが、食事の改善は今日からすぐに取り組めるアプローチである点でとくに重要です[2]。

「食べない」という極端な制限ではなく、「何をどれだけ・どのように食べるか」という食事の質と量を整えることが、やせるための正しい食事管理の考え方です。

1日の目標カロリーと栄養バランスの設定

やせるために食事を見直す第一歩は、自分に合った1日の目標摂取カロリーを設定することです。

1日の目標カロリーは「基礎代謝量×身体活動レベル(PAL値)」で求めた推定エネルギー必要量から、1日200〜500kcal削減した値を目安として設定します[1]。

身体活動レベルⅡ(ふつう)の場合のPAL値は1.75であり、30〜49歳・体重60kgの女性を例にすると基礎代謝量は21.7×60=1,302kcal、推定エネルギー必要量は1,302×1.75=約2,278kcalとなります。

この数値から300kcal削減した約1,978kcalが減量中の1日の目標摂取カロリーの目安となります。

目標カロリーが決まったら、三大栄養素のPFCバランスを整えることが次のステップです。

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、たんぱく質13〜20%・脂質20〜30%・炭水化物50〜65%が目標量として示されており、やせるためにもこの範囲を大きく外れない食事構成を維持することが推奨されます[1]。

農林水産省が推奨する主食・主菜・副菜を揃えた「一汁三菜」を基本形として毎食意識するだけで、特別な計算をしなくてもPFCバランスが自然に整いやすくなります。

積極的に摂りたい栄養素と食材

やせるための食事でとくに意識して摂りたい栄養素は、たんぱく質・食物繊維・低GI食品の3つです[1]。

たんぱく質は筋肉量を維持して基礎代謝を高く保つうえでもっとも重要な栄養素であり、三大栄養素のなかで食事誘発性熱産生がもっとも高く摂取カロリーの約30%が代謝の過程で熱として消費されるという特性があります。

やせるために積極的に取り入れたい高たんぱく・低カロリーの食材としては、鶏むね肉(100gあたり約116kcal・たんぱく質約24g)・鶏ささみ(約105kcal・約23g)・卵(1個約91kcal・約6g)・豆腐(木綿100gあたり約72kcal・約7g)・納豆(1パック約100kcal・約8g)・白身魚が挙げられます。

食物繊維は消化管内で糖質や脂質の吸収をゆるやかにして食後の血糖値急上昇を抑え、インスリンの過剰分泌による体脂肪の蓄積を防ぐ効果が期待できます[2]。

食物繊維が豊富な食材としては、野菜類(キャベツ・ブロッコリー・ほうれん草・ごぼう)・きのこ類(しいたけ・えのきたけ・まいたけ)・海藻類(わかめ・ひじき・もずく)・豆類・主食では玄米・雑穀米・全粒粉パン・そばなどが取り入れやすい食品です。

主食は白米・食パン・うどんなどの高GI食品から玄米・雑穀米・そばなどの低GI食品に切り替えることで、同じカロリーでも血糖値の上昇をゆるやかにして体脂肪をためにくい食事に近づけることができます[2]。

食べ方・食事回数・タイミングの工夫

やせるためには食材選びと並んで、食べ方・食事回数・タイミングの工夫も重要なポイントです。

食べる順番は野菜・海藻・きのこ・汁物→主菜(たんぱく質)→主食(炭水化物)の順に食べる「ベジファースト」を実践することで、先に摂取した食物繊維が後から食べる炭水化物の吸収をゆるやかにして食後の血糖値急上昇を抑える効果が期待できます[2]。

よく噛んでゆっくり食べることも重要です。

食事を始めてから摂食中枢に満腹感のサインが届くまでには約20分かかるため、1口30回を目安によく噛んで20〜30分かけてゆっくり食べることで、少ない食事量でも満腹感を得やすくなります

食事回数は1日3食を規則正しくとることが基本であり、食事を抜くと次の食事で血糖値が急激に上昇してインスリンの過剰分泌による体脂肪の蓄積・過食のリスクが高まります[2]。

夕食は就寝の2〜3時間前までに済ませることが推奨されます。

夜間は体内時計に関わるBMAL1というたんぱく質の活性がもっとも高くなり脂肪合成が促進されやすくなるため、22時以降の食事は体脂肪として蓄積されやすい時間帯です[2]。

間食は1日100〜200kcal以内を目安に無糖ヨーグルト・ゆで卵・素焼きナッツ・果物などたんぱく質・食物繊維を補える栄養密度の高い食品を選ぶことで、空腹感を和らげながらカロリー管理を継続することができます。

やせるための運動の取り入れ方

やせるためには食事管理と並んで、運動を日常に取り入れることが重要です。

運動を組み合わせることで消費カロリーが増えて減量の効率が高まるとともに、筋肉量を維持・向上させてリバウンドしにくい体をつくることができます[3]。

やせるための運動は「有酸素運動」「筋トレ」「日常活動量(NEAT)を増やす」という3つのアプローチを組み合わせることがもっとも効果的です[5]。

有酸素運動で体脂肪を燃焼させる方法

有酸素運動とは酸素を使いながら体脂肪をエネルギーとして燃焼させる運動であり、ウォーキング・ジョギング・水泳・サイクリング・踏み台昇降などが代表的な種類として挙げられます[3]。

体脂肪の燃焼が本格的に始まるのは運動開始から約20分後とされているため、1回あたり20〜30分以上継続することが効果を高めるうえでの基本的な目安となります

厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」では、健康維持・体重管理のための有酸素運動として週150〜300分の中強度の運動が推奨されており、毎日20〜40分程度のウォーキングを続けることが現実的な目安となります[5]。

有酸素運動の消費カロリーの目安(体重60kgの場合)は、ウォーキング30分で約100〜120kcal・ジョギング30分で約200〜240kcal・水泳30分で約200〜250kcal程度です。

毎日継続することで1週間・1ヶ月単位での消費カロリーの積み上げにつながります。

有酸素運動をおこなうもっとも効果的なタイミングは食後30〜60分後とされており、食後に上昇した血糖値をエネルギーとして消費してインスリンの過剰分泌を抑える効果が期待できます[3]。

運動習慣がない方はまず「毎日20分のウォーキング」という小さな目標から始めて、継続できるようになってから距離・時間・強度を少しずつ上げていくことが挫折しにくいアプローチです。

筋トレで基礎代謝を高める効果と方法

やせるための運動として、有酸素運動と並んで取り入れたいのが筋力トレーニング(筋トレ)です。

筋トレによって筋肉量が増えると基礎代謝量が高まり、運動していない安静時にも消費カロリーが増えるため「やせやすい体」をつくることができます[4]。

基礎代謝量は1日の総消費カロリーの約60%を占めるため、筋肉量を増やして基礎代謝量を高めることは有酸素運動でカロリーを消費することと同様に、やせるための重要なアプローチです。

厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」では、筋トレを週2〜3回おこなうことが推奨されており、全身の主要な筋群をバランスよく鍛えることが基本とされています[5]。

自宅で器具なしに取り組めるおすすめの筋トレメニューとしては、スクワット(下半身・臀部)・腕立て伏せ(胸・腕・肩)・クランチ(腹筋)・ヒップリフト(臀部・ハムストリングス)・プランク(体幹)の5種目が全身をバランスよく鍛えられる基本構成として取り組みやすいメニューです。

これらを各10〜15回×3セットを週2〜3回の頻度で継続することで、1〜2ヶ月単位で筋肉量の維持・向上と基礎代謝量の改善が実感できるようになります

同じタイミングで有酸素運動と筋トレを両方おこなう場合は、筋トレを先に・有酸素運動を後にという順番が体脂肪の燃焼効率を高めるうえで効果的です[3]。

筋トレ後はたんぱく質を中心とした食事や間食を意識的に摂ることで、筋肉の合成・修復が促進されてトレーニングの効果を最大限に引き出すことができます。

日常活動量(NEAT)を増やすコツ

やせるための運動として、まとまった運動時間を確保することが難しい方にとって非常に有効なアプローチがNEAT(Non-Exercise Activity Thermogenesis:非運動性活動熱産生)を高めることです

NEATとは、スポーツや意図的な運動以外の日常生活の活動(歩く・立つ・家事・仕事中の動作など)によって消費されるカロリーの総量のことです[3]。

厚生労働省 e-ヘルスネット「身体活動とエネルギー代謝」では、肥満の方は非肥満の方と比べて立位による活動時間が1日平均約150分も少ないという報告が示されており、日常の座位行動を減らすことが肥満予防のキーポイントといえると指摘されています[3]。

NEATを高める具体的な行動としては、エレベーターよりも階段を選ぶ・1駅分歩く・デスクワーク中に1時間ごとに立ち上がって軽くストレッチする・掃除や買い物などの家事を積極的におこなう・電車では座らずに立つという日常のちょっとした習慣の積み重ねが効果的です。

研究では、デスクワーク中心の生活をしている方と活動的な仕事をしている方では、NEATだけで1日300〜600kcalもの消費カロリーの差が生じることが報告されています

まずは有酸素運動・筋トレ・NEATの3つのうち自分の生活スタイルに合った取り組みから1つずつ始めて、継続できる習慣として定着させることがもっとも現実的な方法です[5]。

やせるための基礎代謝の上げ方

やせるためには食事管理・運動と並んで、基礎代謝そのものを高める取り組みが重要です。

基礎代謝量は1日の総消費カロリーの約60%を占めるため、基礎代謝を高めることで運動や食事制限をしていない時間帯にも消費カロリーが増えてやせやすい体質をつくることができます[3]。

基礎代謝を高めるためのアプローチは、筋肉量を増やすこと・食事・水分・睡眠で代謝を整えること・加齢による低下への対策という3つの観点から取り組むことが効果的です。

筋肉量を増やして基礎代謝を高める

基礎代謝を上げるためのもっとも根本的なアプローチが、筋肉量を増やすことです。

筋肉は基礎代謝のなかでもっとも多くのエネルギーを消費する組織であり、1日の総エネルギー消費量の約22%を筋肉が担っています[4]。

筋肉量が1kg増えると基礎代謝量が約13〜30kcal増加するとされており、継続的な筋トレで筋肉量を増やすことが長期的なやせやすい体づくりに直結します。

筋肉量を増やして基礎代謝を高めるためには、週2〜3回の筋トレに加えて、筋肉の材料となるたんぱく質を毎食しっかり確保することが重要です。

やせるために筋肉量を増やすうえで意識したい筋トレのポイントは、大きな筋群(太もも・臀部・背中・胸)を優先的に鍛えることです

大きな筋群を鍛えることで消費カロリーが増えるとともに、筋肉量の増加による基礎代謝への恩恵を効率よく得ることができます[5]。

スクワット・デッドリフト・プッシュアップ・懸垂などは大きな筋群を効率よく鍛えられるため、筋トレメニューの中心として取り入れることが推奨されます。

筋トレの効果を最大化するためには、トレーニング後の休息も重要です。

筋肉が疲労から回復する期間は一般的に2〜3日かかるとされているため、同じ部位のトレーニングは2〜3日の間隔をあけて実施することが推奨されます[5]。

食事・水分・睡眠で代謝を整える

基礎代謝を高めるためには、筋トレだけでなく食事・水分補給・睡眠という日常習慣を整えることも重要なアプローチです。

食事面では、まず1日3食を規則正しくとることが基礎代謝の安定において基本となります。

朝食を摂ることで体内時計がリセットされて代謝が活性化されやすくなり、1日を通じたエネルギー消費が高まりやすくなります[2]。

よく噛んでゆっくり食べることも基礎代謝に関係しており、噛む回数が増えることで食事誘発性熱産生が高まり、食事をしながらも多くのエネルギーを消費できるようになります。

水分補給は基礎代謝を維持するうえで見落とされがちな重要なポイントです。

水分が不足すると血行が悪化して内臓・筋肉の働きが低下するため、代謝が落ちやすくなります。

1日の水分補給の目安は飲み物から約1.2Lとされており、朝起きてすぐのコップ1杯の水は血行を促進して代謝を活性化させるうえで効果的なタイミングです

睡眠は基礎代謝を高める観点からも非常に重要な要素です。

睡眠中には成長ホルモンが分泌されて筋肉の修復・合成がおこなわれるため、睡眠の質が低いと筋トレの効果が十分に発揮されず筋肉量の回復が遅れます[4]。

厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」では成人に推奨される睡眠時間として7〜9時間が目安として示されており、この睡眠時間を確保することが基礎代謝を支える筋肉量の維持・向上において重要です

毎日同じ時間に就寝・起床する習慣をつくり、就寝前のブルーライト暴露を避けて就寝1〜2時間前の入浴で深部体温を調整することが睡眠の質を高める実践的なアプローチとなります。

加齢による基礎代謝低下への対策

加齢とともに基礎代謝量は低下する傾向があり、やせにくくなったと感じる原因の一つとなっています。

厚生労働省 e-ヘルスネット「加齢とエネルギー代謝」によると、基礎代謝量は男性では15〜17歳・女性では12〜14歳でピークを迎えた後、加齢に伴い筋肉量が低下することによって少しずつ下がっていきます[4]。

30〜40代以降にとくにやせにくくなる主な原因は、基礎代謝量の大きな変化よりも加齢による筋肉量の低下とそれにともなう身体活動量の減少が大きく影響しています[4]。

加齢による基礎代謝低下への対策としてもっとも効果的なのは、若いうちから運動習慣を定着させて筋肉量を高く維持しておくことです

すでに基礎代謝が低下していると感じる方でも、筋トレを継続することで筋肉量を維持・増加させることは可能であるため、年齢に関わらず取り組み始めることに意味があります[5]。

食事面では、加齢とともにたんぱく質の消化・吸収効率が低下する傾向があるため、若い世代より意識的にたんぱく質の摂取量を確保することが筋肉量の維持において重要です[1]。

また加齢とともに活動量が低下しやすいため、意識的に歩く機会を増やす・立って作業する・家事を積極的におこなうといったNEATを高める習慣を日常に取り入れることが、加齢による消費カロリー低下を補ううえで効果的なアプローチとなります。

やせるためにやめるべき習慣とリバウンド防止

やせるための取り組みを実践するうえで、「やるべきこと」と同時に「やめるべき習慣」を把握することが重要です。

せっかく食事管理・運動・生活習慣の改善に取り組んでいても、太りやすい習慣が日常に残っていると効果が半減してしまいます[2]。

やせるための取り組みを継続して習慣化することが、長期的な体重管理を成功させるための根本的なアプローチです。

やせにくくなる太りやすい習慣

やせるための取り組みと同時に見直すべき、太りやすい習慣を具体的に確認しましょう。

朝食の欠食は昼食・夕食での過食につながりやすく、1日の血糖値の変動を大きくしてインスリンの過剰分泌による体脂肪蓄積のリスクを高めます。

朝食を抜くと体内時計がリセットされず代謝が活性化しにくい状態が続くため、やせるためにやめるべき習慣の筆頭として挙げられます[2]。

早食いは食事開始から満腹感を感じるまでの約20分の間に食べすぎてしまう原因となります。

厚生労働省 e-ヘルスネットでも早食い傾向がある方はBMIが高く肥満傾向になりやすいことが報告されており、ゆっくりよく噛んで食べる習慣が推奨されます[2]。

夜遅い時間帯の食事はBMAL1の活性が高い夜間にとくに体脂肪として蓄積されやすくなるため、就寝の2〜3時間前までに夕食を済ませることが推奨されます[2]。

アルコールの過剰摂取はアルコール自体のカロリー(1gあたり約7kcal)に加えて、肝臓での脂質・糖質・たんぱく質の代謝機能を低下させてむくみや代謝低下の原因になります。

また、おつまみによる脂質・塩分の過剰摂取にもつながるため減量中は控えることが重要です[2]。

菓子類・清涼飲料水の習慣的な摂取は少量でも血糖値を急上昇させてカロリーが高いため、1日の摂取カロリーを大幅に増やす原因となります。

間食をとる場合は無糖ヨーグルト・ゆで卵・素焼きナッツなど栄養密度の高い食品に置き換えることが推奨されます。

座りっぱなしの生活は消費カロリーを著しく低下させてNEATを減らす原因となるため、1時間に1回は立ち上がって軽く体を動かす習慣をつくることがやせやすい体づくりのうえで効果的です[5]。

リバウンドしないための食事管理の継続方法

やせるための取り組みを成功させるうえで、リバウンドのメカニズムを正しく理解しておくことは非常に重要です。

リバウンドが起きる主な原因は、極端な食事制限による基礎代謝・筋肉量の低下です

制限をやめて元の食事量に戻したときに低下した代謝では消費しきれない余剰エネルギーが、通常より速いペースで体脂肪として蓄積されます[6]。

とくに1日の摂取カロリーが基礎代謝量を大きく下回る状態が続くと、体重は減っても体脂肪率が高い「やせにくい体質」に変化してしまいます[4]。

リバウンドを防ぐためのもっとも重要なポイントは、減量中から「減量後も続けられる食習慣・運動習慣」を作ることです。

目標体重に達した後も急に食事量を元に戻すのではなく、1日の摂取カロリーを推定エネルギー必要量の範囲内に少しずつ戻していくことで、筋肉量・基礎代謝量・体重のバランスを崩さずに維持できます[1]。

食べすぎた日の翌日は断食や極端な制限をするのではなく、野菜・たんぱく質を中心としたバランスのよい食事に戻すというリセット習慣を取り入れることが推奨されます。

1週間単位でエネルギーバランスを整えるという考え方が、ストレスなく食事管理を継続するうえでの基盤となります[2]。

長期的に続けるための習慣化のコツ

やせるための取り組みを実践するうえでもっとも重要なのは、短期間の努力ではなく日常の習慣として定着させることです。

習慣化のためにまず実践したいのが「小さな目標から始めること」です。

「毎日30分走る」「完全に糖質を抜く」のような大きな変化を一度に目指すと継続が難しくなります。

「毎食野菜を1品追加する」「毎日10分多く歩く」「就寝前のスマートフォン使用を30分減らす」という小さな行動変容から始めることが、挫折せずに継続できるアプローチとして推奨されます[2]。

体重を毎朝同じ条件(起床後・排泄後・食事前)で測定して記録する習慣は、食事・運動の効果を数値で確認できるためモチベーション維持に有効です

ただし体重は日々の水分量・食事内容・排泄状況によって0.5〜1kg程度変動するため、1日単位の数値に一喜一憂せず1週間〜1ヶ月単位のトレンドで評価することが精神的な負担を軽減するうえで重要な考え方です。

食事記録アプリを活用して毎食の内容とカロリーを記録することで、自分の食習慣の傾向・課題・改善点を客観的に把握しやすくなります。

厚生労働省 e-ヘルスネットでも、減量に取り組む際は「いつ・どんなときに・どのようなものを食べて・どのように感じたか」を記録することで課題や改善点を可視化できると示されています[2]。

「完璧にやらなければいけない」という考え方をやめて「続けることが最重要」という視点で取り組むことが、やせるための習慣を日常に定着させるうえでもっとも大切な姿勢です。

よくある質問

やせるには食事と運動どちらが大切ですか?

どちらも重要ですが、体重管理への影響が大きいのは食事管理です

運動だけで消費できるカロリーには限界があり、食事の見直しなしに運動だけで大幅な減量をおこなうことは難しいとされています。

一方で運動は筋肉量を維持して基礎代謝を高め、リバウンドしにくい体をつくるうえで食事管理だけでは得られない効果をもたらすため、食事管理を基本としながら運動を組み合わせることがもっとも効果的なアプローチです。

やせるには基礎代謝を上げることが重要ですか?

基礎代謝は1日の総消費カロリーの約60%を占めるため、基礎代謝を高めることはやせやすい体づくりにおいて非常に重要です

基礎代謝を高めるためにもっとも効果的なのは筋肉量を増やすことであり、週2〜3回の筋トレを継続することで基礎代謝量の維持・向上が期待できます。

筋トレに加えてたんぱく質の十分な摂取・睡眠7〜9時間の確保・こまめな水分補給を組み合わせることで、基礎代謝をより高い水準に保ちやすくなります。

やせるには1日どのくらい運動すればよいですか?

厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」では、週150〜300分の中強度の有酸素運動と週2〜3回の筋トレを組み合わせることが推奨されています

1日あたりに換算すると毎日20〜40分程度の有酸素運動が目安となりますが、まとまった時間が取れない場合は通勤での歩行・階段の使用・家事など日常活動量(NEAT)を意識的に増やすことも消費カロリーの積み上げに効果的です。

運動習慣がない方はまず毎日10〜20分のウォーキングから始めて、継続できるようになったら少しずつ時間・強度を上げていくことが挫折しにくい方法です。

やせるには何から始めればよいですか?

まず自分の現状のBMIと目標体重を確認して、月0.5〜1kgという健康的な減量ペースに合わせた1日の目標摂取カロリーを設定することが第一歩です

その後、食事の見直し(1日3食・ベジファースト・よく噛む・夕食時間の管理)から始めて、慣れてきたら毎日20〜30分のウォーキングと週2〜3回の筋トレを追加するという段階的な取り組みが継続しやすいアプローチとなります。

一度にすべてを変えようとせず、まず食事の見直しから1〜2週間取り組んでから運動を加えるという順番が挫折しにくい始め方です。

まとめ

やせるためには食事管理・運動・生活習慣の改善という3つの柱を組み合わせて継続することが基本です。

食事では1日の目標摂取カロリーを基礎代謝量を下回らない範囲で設定して、たんぱく質・食物繊維・低GI食品を中心に1日3食を規則正しく食べながらベジファースト・よく噛む・夕食は就寝2〜3時間前に済ませるという食べ方の工夫を整えることが基本です

運動では有酸素運動(週150〜300分)と筋トレ(週2〜3回)を組み合わせて、筋トレ→有酸素運動の順でおこなうことで体脂肪の燃焼効率を高めながら基礎代謝量を維持・向上させてやせやすい体をつくることができます。

基礎代謝を高めるためには筋肉量を増やすこと・睡眠7〜9時間の確保・こまめな水分補給・1日3食の規則正しい食事を組み合わせることが重要であり、加齢によるやせにくさへの対策としても継続的な筋トレと日常活動量の維持が効果的です。

「続けることを最優先にする」という考え方で、小さな行動変容から始めて無理なく継続できる習慣を日常に定着させることが、リバウンドしない長期的なやせやすい体づくりの根本となります。

参考文献

[1] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/eiyou/syokuji_kijyun.html

[2] 厚生労働省 e-ヘルスネット「肥満と健康」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-02-001.html

[3] 厚生労働省 e-ヘルスネット「身体活動とエネルギー代謝」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/exercise/s-02-004.html

[4] 厚生労働省 e-ヘルスネット「加齢とエネルギー代謝」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/exercise/s-02-003.html

[5] 厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/undou/index.html

[6] 日本肥満学会「肥満症診療ガイドライン2022」

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