脂肪を減らすには?内臓脂肪・皮下脂肪の種類別の特徴と食事・運動・生活習慣の改善方法をわかりやすく解説

「お腹まわりの脂肪がなかなか落ちない」「体重は変わらないのに体脂肪率が気になる」「健康診断で内臓脂肪を指摘された」という悩みを抱えている方は少なくありません。

脂肪を減らすためには、まず「脂肪の種類」と「脂肪が燃えるメカニズム」を正しく理解したうえで、食事・運動・生活習慣の3つを整えることが基本とされています。

本記事では、内臓脂肪・皮下脂肪の違いから脂肪が燃えるメカニズム・食事管理の方法・効果的な運動の取り入れ方・生活習慣の整え方まで、公的機関の情報をもとにわかりやすく解説します。

脂肪を減らすことは、見た目の変化だけでなく、生活習慣病の予防・基礎代謝の向上・疲れにくい体づくりという健康全般への貢献という観点からも重要な取り組みです。

目次

脂肪の種類と特徴を正しく理解する

脂肪を効率よく減らすためには、まず「どの種類の脂肪を減らしたいのか」を正確に理解することが出発点となります。

体脂肪は大きく「内臓脂肪」と「皮下脂肪」の2種類に分類されており、それぞれ蓄積される場所・増えやすい原因・減りやすさが異なります[2]。

内臓脂肪の特徴と健康リスク

内臓脂肪とは、腹腔内の臓器まわり(主に腸を支える腸間膜)に蓄積される脂肪です。内臓脂肪は男性に蓄積されやすい傾向があり、食生活の乱れ・運動不足・過度な飲酒などによって増加しやすいとされています[2]。

内臓脂肪の大きな特徴は「つきやすいが落としやすい」という代謝活動の活発さにあります。内臓脂肪は皮下脂肪に比べて代謝活動が活発であるため、食事改善と運動によって比較的スムーズに減少しやすいとされています。

一方で、内臓脂肪が過剰に蓄積すると高血圧・高血糖・脂質異常症といった生活習慣病の発症リスクが高まるとされており、複数のリスクが重なった状態は「メタボリックシンドローム」と呼ばれています[2]。

近年の研究では、内臓脂肪そのものが体内で炎症を引き起こしたり血糖値を下げるインスリンの働きを妨げたりする物質を分泌することがわかってきており、単なる「体型の問題」を超えた医学的な管理が必要な状態とされています。

皮下脂肪の特徴と減りにくい理由

皮下脂肪とは、皮膚の直下に蓄積される脂肪であり、お尻・太もも・二の腕・お腹の皮膚表面付近など体の広い範囲に蓄積されます。皮下脂肪は女性に蓄積されやすい傾向があり、女性ホルモンの影響によって下半身・お尻・太ももに集中しやすいとされています[2]。

皮下脂肪の最大の特徴は「つきにくいが落ちにくい」という性質です。内臓脂肪と比べて代謝活動が穏やかであるため、食事改善・運動を継続しても変化があらわれるまでの期間が長くなる傾向があります。

女性の場合は皮下脂肪が多いため、食事改善で体型に変化が見え始めるまでに約3ヶ月程度必要とされており、焦らず長期的な取り組みを継続することが重要とされています。

体脂肪率の目安と健康的な範囲

体脂肪率とは、体重全体に占める脂肪の割合をパーセントで表したものであり、体組成計で計測することができます。

健康的とされる体脂肪率の目安は以下のとおりとされています。
成人男性:標準(健康的)10〜20%程度・軽度肥満25%以上・肥満30%以上
成人女性:標準(健康的)20〜30%程度・軽度肥満30%以上・肥満35%以上

体脂肪率が高すぎると生活習慣病のリスクが高まる一方、低すぎると免疫機能の低下・ホルモンバランスの乱れ・女性では生理不順や骨粗しょう症のリスクが高まるとされています。体脂肪率を健康的な範囲に整えることを意識することが、無理なく継続できる取り組みの出発点となります。

脂肪が燃えるメカニズムと減らすための基本原則

脂肪を効率よく減らすためには、「脂肪が体内でどのように蓄積・分解・燃焼されるのか」というメカニズムを正しく理解することが重要です。

脂肪が蓄積・燃焼されるメカニズム

食事から摂取した糖質・脂質・タンパク質は体内でエネルギーとして使われますが、消費しきれなかった余剰分は中性脂肪に変換されて脂肪細胞に蓄積されます[1]。

特に精製された糖質を多く摂ると食後の血糖値が急激に上昇します。インスリンには血中の余剰な糖分を中性脂肪に変えて脂肪細胞に蓄える働きがあるため、血糖値の急上昇が脂肪蓄積を促進しやすいとされています[2]。

体がアンダーカロリーの状態になると、不足したエネルギーを補うために体内に蓄えられた脂肪を分解してエネルギーとして利用し始めます。体脂肪1kgを燃焼するためには約7,200kcalのカロリー消費が必要とされており、1ヶ月で1kg程度の体脂肪を減らすためには1日あたり約240kcalのアンダーカロリーを維持する計算となります[1]。

有酸素運動(ウォーキング・ジョギング・サイクリングなど)は酸素を使いながら継続的に脂肪をエネルギー源として燃焼させる運動であり、脂肪燃焼に直接的な効果があるとされています[3]。

脂肪を安全に減らすための基本原則

脂肪を健康的に減らすための基本原則は以下の3点にまとめられます。

原則①:アンダーカロリーを無理なく実現する
脂肪を減らすためには「消費カロリー>摂取カロリー」の状態をつくることが必須ですが、極端なカロリー制限は筋肉量の低下・基礎代謝の低下・リバウンドのリスクを高めるため推奨されていません[1]。1日の摂取カロリーは基礎代謝量を必ず上回る範囲で設定し、推定エネルギー必要量から300〜500kcal程度を削減した目標が安全とされています。

原則②:食事管理を中心に運動で補助する
脂肪を減らすうえで食事管理が最も効果に直結するとされており、食事管理を中心に据えながら運動を補助的に組み合わせることが最も効率的なアプローチとされています。

原則③:安全な減量ペースを守る。日本肥満学会「肥満症診療ガイドライン2022」では医学的に安全とされる減量ペースとして1ヶ月に現在の体重の0.5〜1%程度が推奨されており、急激な脂肪減少はリバウンドのリスクを高めるとされています[4]。

脂肪を減らす食事の方法

脂肪を減らすうえで最も効果に直結するのが食事の管理です。

「食事管理だけで体重の大部分が決まる」とされており、食事の内容・量・食べ方を整えることが、脂肪を減らすための最も優先すべき取り組みとなります。

タンパク質を意識的に確保する

脂肪を減らすための食事管理において、タンパク質の確保は最も重要な栄養素の一つです。タンパク質は筋肉量を維持して基礎代謝を守る役割を担っており、食事制限中にタンパク質が不足すると筋肉が分解されて基礎代謝が低下し、脂肪が燃えにくい体質へと変化するリスクがあります[1]。

体重1kgあたり1.5g程度(体重60kgの方であれば約90g)を1日の摂取目安として、毎食均等に分散して摂ることが筋肉量を守りながら脂肪を落としやすくするうえで有効とされています。

鶏むね肉(皮なし)・鶏ささみ・卵・木綿豆腐・納豆・白身魚・マグロ(赤身)・サバ缶・ギリシャヨーグルト(無糖)などが、高タンパク・低カロリーの食材として脂肪を減らす食事管理に取り入れやすい選択肢です。

動物性タンパク質(肉・魚・卵)と植物性タンパク質(豆腐・納豆・大豆製品)を組み合わせて摂ることで、アミノ酸の種類を網羅しながら脂質の過剰摂取を抑えやすくなります。

血糖値の急上昇を防ぐ食べ方を整える

脂肪の蓄積を防ぐためには、血糖値の急上昇を引き起こすインスリンの過剰分泌を抑えることが食事管理における重要な観点です。食後に血糖値が急激に上昇すると、インスリンが過剰に分泌されて余剰な糖分が中性脂肪に変換され、脂肪細胞に蓄積されやすくなります[2]。

食事の際に「野菜・きのこ・海藻(食物繊維)→タンパク質(肉・魚・卵・豆類)→炭水化物(ごはん・パン)」の順番で食べるベジファーストをおこなうことで、食後の血糖値の上昇スピードが緩やかになり、インスリンの過剰分泌を抑えやすくなります[2]。

主食は白米・白いパン・うどんなど精製された炭水化物より、玄米・もち麦・オートミール・全粒粉パン・そばなど食物繊維を多く含む低GI食品に切り替えることで、血糖値の急上昇を抑えながら適切な量の炭水化物を摂ることができます。

よく噛んでゆっくり食べることも血糖値の急上昇を防ぐうえで有効であり、1口30回を目安によく噛むことで満腹感を得やすくなり食べすぎの防止につながるとされています[2]。

食物繊維を積極的に摂る

食物繊維は、脂肪を減らすための食事管理において意識的に増やすべき重要な栄養素とされています。

食物繊維には血糖値の急上昇を抑える・腸内環境を整える・満腹感を持続させる・体内の余分な脂質・糖を吸着して排出するという複数の働きがあるとされています[5]。

きのこ類(えのき・しめじ・まいたけ)・海藻類(わかめ・ひじき・もずく)・根菜類(ごぼう・にんじん・大根)・豆類(大豆・えだまめ)・こんにゃく・オートミールなどが、低カロリーで食物繊維を効率よく摂れる食材として挙げられます[5]。

これらの食材は料理のボリュームを増やしながら摂取カロリーを抑えるという「かさ増し効果」も持っており、少ない食事量でも満足感を得やすくするうえでも活用しやすい食材です。

脂肪を蓄積しやすい食品を控える

脂肪を減らすためには、新たな脂肪の蓄積を引き起こしやすい食品の摂取頻度と量を意識的にコントロールすることが重要です。

精製された糖質(白いごはんの大盛り・菓子パン・菓子類・清涼飲料水)は血糖値を急激に上昇させてインスリンの過剰分泌を招き、脂肪が蓄積されやすい状態をつくりやすいため、摂取量を意識的に抑えることが推奨されています[2]。

アルコールは1gあたり約7kcalと高カロリーであることに加え、肝臓での脂肪代謝を妨げるとされており、飲酒後の食欲増進による過食も脂肪蓄積のリスクを高める要因となります。

1日の食事例:朝食(玄米ごはん・納豆・具沢山みそ汁)、昼食(鶏むね肉のグリル定食・もち麦ごはん)、夕食(サバのみそ煮・蒸しブロッコリー・豆腐とわかめのみそ汁)のように、毎食タンパク質と食物繊維を必ず組み合わせ、夜は炭水化物を控えめにする設計が基本です。

脂肪を燃やす運動の取り入れ方

食事管理が脂肪を減らすための最重要要素である一方、運動を組み合わせることで消費カロリーを増やし・筋肉量を維持して基礎代謝を守り・脂肪が燃えやすい体の状態をつくることができます。

脂肪を燃やすための運動は「有酸素運動」と「筋トレ(レジスタンス運動)」の2種類を組み合わせることが、最も効果的なアプローチとされています[3]。

有酸素運動で体脂肪を直接燃焼させる

有酸素運動は、酸素を使いながら継続的に体脂肪をエネルギー源として燃焼させる運動です。ウォーキング・ジョギング・サイクリング・水泳・踏み台昇降などが、日常的に取り入れやすい有酸素運動として挙げられます[3]。

近年の研究では、1日30分を1回おこなうのと10分を3回おこなうのでは脂肪燃焼効果に差がないことがわかってきており、まとまった時間が確保できない日でも「10分×3回」という分割アプローチが有効とされています[3]。

脂肪燃焼に最適な有酸素運動の強度は「少し汗ばむ程度・会話ができる程度(軽く息が弾む状態)」とされており、この強度での継続が推奨されています。

脂肪燃焼を目的とした有酸素運動として週3〜5日・1日あたり30分以上の取り組みが推奨されており、ウォーキングの場合は1日8,000〜10,000歩を目安とすることが体脂肪減少の観点から有効とされています[3]。

筋トレで基礎代謝を高めて脂肪が燃えやすい体をつくる

筋トレ(レジスタンス運動)は、有酸素運動と組み合わせることで脂肪を燃やす効果をさらに高める運動です[6]。筋トレを行うと成長ホルモンが分泌されて脂肪の分解が促進され、筋肉量が増えることで基礎代謝が高まり、安静時でも脂肪が燃えやすい体の状態がつくられやすくなります。

筋トレと有酸素運動を同日におこなう場合は「筋トレ→有酸素運動」の順番が脂肪燃焼効率を高めるうえで有効とされています。筋トレで成長ホルモンが分泌・脂肪が分解された状態で有酸素運動をおこなうことで、脂肪酸がよりスムーズにエネルギーとして利用されやすくなるためです。

スクワット(太もも・お尻・ふくらはぎ)・腕立て伏せ(胸筋・肩・上腕三頭筋)・プランク(体幹全体)・デッドリフト(背中・ハムストリング)の4種目が、自宅でも取り入れやすく基礎代謝アップに効果的な筋トレとして挙げられます。

週2〜3日・各種目10〜15回・2〜3セットを目安に継続し、筋トレ後は48〜72時間の回復期間を設けることが筋肉量の増加と基礎代謝アップにつながるとされています[6]。

日常活動の積み増しで消費カロリーを底上げする

脂肪を減らすための消費カロリーの増加は、特別な運動の時間だけでなく、日常生活のなかでの活動量(NEAT:非運動性活動熱産生)を増やすことでも実現しやすくなります[3]。

エレベーターの代わりに階段を使う・最寄り駅の一駅前で降りて歩く・昼食後に10〜15分のウォーキングをおこなう・こまめに立ち上がって動くという習慣を意識して実践するだけで、1日あたりの消費カロリーを100〜200kcal程度底上げしやすくなります。

運動習慣がない方は、まず日常活動の積み増しから始めて体を動かすことへの抵抗感を減らし、慣れてきたらウォーキング・筋トレへと段階的に取り組みを拡張していくアプローチが継続しやすい方法です。

脂肪を減らすための生活習慣の整え方

食事管理と運動と同様に、生活習慣の整え方が脂肪を減らすうえで重要な役割を担っています。

睡眠不足・慢性的なストレス・不規則な生活リズムが続くと、体内のホルモンバランスが乱れて脂肪が蓄積されやすい状態になるとともに、食事管理や運動の効果があらわれにくくなることがあります。

睡眠の質と量を確保する

睡眠は、脂肪を減らすための生活習慣のなかで最も見落とされやすいながら大きな影響を持つ要素の一つとされています。

睡眠不足が続くと、食欲を増進させるホルモン(グレリン)の分泌が増加し、食欲を抑えるホルモン(レプチン)の分泌が低下します。この変化によって、食事管理中でも食欲のコントロールが難しくなりカロリーオーバーを招きやすくなるとされています[7]。

厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」では、脂肪代謝と筋肉修復の観点から1日7〜8時間の睡眠確保が推奨されています[7]。

就寝の1〜2時間前にスマートフォンの使用を控える・38〜40度程度のぬるめの湯船に10〜15分浸かる・就寝・起床時間を毎日一定に保つという3点が、睡眠の質を高める実践的な工夫として有効とされています。

ストレス管理で脂肪蓄積を防ぐ

慢性的なストレスは、脂肪の蓄積を促進する見落とされやすい要因です。ストレスが高まるとコルチゾール(ストレスホルモン)の分泌が増加し、食欲が増して高カロリーな食品を欲しやすくなる・血糖値が上昇して脂肪が蓄積されやすくなる・睡眠の質が低下して代謝が落ちやすくなるという変化が生じやすくなるとされています。

実践しやすいストレス管理の方法として、軽い有酸素運動(ウォーキング・ストレッチ)・好きな音楽を聴く・入浴・十分な睡眠・趣味の時間の確保などが挙げられます。「ダイエット中のストレスは食べすぎの原因になる」という認識を持ったうえで、適度にリラックスできる時間をつくることが長期継続のカギです。

体重・体脂肪率の記録(セルフモニタリング)

脂肪を減らすための習慣のなかで、科学的に効果が認められているものの一つが「セルフモニタリング(自己記録)」です。

毎朝同じ条件(起床後・排泄後)で体重・体脂肪率を測定して記録することで、食事・運動・生活習慣と体重変化の関係を自分自身で把握しやすくなります[2]。

毎日体重が下がり続けることはなく、1〜2kgの変動は体内の水分量・食事の内容・排便の状況によって正常に起こるものであるため、日々の変動に一喜一憂せず週単位・月単位の変化を指標として継続することが重要です。

食事の時間帯と規則正しいリズムを整える・水分を十分に摂る

夜遅い時間帯の食事は代謝が低下して脂肪が蓄積されやすい状態であるため、夕食は就寝の3時間前までに済ませることが脂肪の蓄積を抑えるうえで有効とされています[2]。

食事を抜くと次の食事での血糖値が急上昇しやすくなり、インスリンの過剰分泌によって脂肪が蓄積されやすくなるリスクがあります。1日3食を規則正しく摂る習慣を維持することが、脂肪の蓄積を防ぐうえで有効な習慣です[2]。

水分は体内の代謝反応を媒介する役割を担っており、水分が不足すると代謝効率が低下して脂肪が燃えにくい状態になります。1日1.5〜2リットルを目安に水・お茶・炭酸水などカロリーのない飲み物をこまめに摂ることが推奨されています。

「よく食べてよく動いてよく寝る」という生活リズムこそが、脂肪を減らすための最も基本的な生活習慣の形です。

脂肪を減らすうえでやってはいけないNG行動

脂肪を減らそうと取り組んでいるにもかかわらず結果が出ない・リバウンドを繰り返しているという方の多くに、共通したNG行動のパターンがあります。

基礎代謝量以下への極端な食事制限

脂肪を早く落としたいという焦りから、摂取カロリーを基礎代謝量以下まで極端に減らすことは、脂肪を減らすうえで最も避けるべきNG行動の一つです。

摂取カロリーが基礎代謝量を大きく下回ると、体はエネルギー不足を「飢餓状態」と判断してホメオスタシス(生体恒常性)機能を活発化させ、代謝を下げて脂肪を溜め込もうとする反応が起こります[2]。さらに筋肉がエネルギー源として分解されやすくなり、筋肉量の低下→基礎代謝の低下→脂肪が燃えにくい体質への変化というリバウンドのサイクルに入るリスクがあります。

基礎代謝量(成人女性でおよそ1,100〜1,250kcal・成人男性でおよそ1,400〜1,530kcal)を摂取カロリーが下回らないことが、脂肪を安全に減らすための絶対条件です[1]。

有酸素運動だけに頼る・特定の栄養素のみに偏った食事

有酸素運動のみで取り組んで筋トレを省略することは、脂肪を長期的に減らすうえで非効率な方法となりやすいとされています。有酸素運動のみで体重を落とすと体脂肪と同時に筋肉量も低下しやすくなり、筋肉量の低下は基礎代謝の低下につながるため、長期的にはリバウンドしやすい体質をつくるリスクがあります[6]。

「糖質ゼロ・脂質ゼロ・炭水化物完全排除」といった特定の栄養素を完全に排除した極端な食事制限は、短期的に体重が落ちやすい反面、エネルギー不足による疲労感・集中力の低下・ホルモンバランスの乱れ・リバウンドのリスクを高めるとされています[1]。

「バランスよく、少しずつ調整する」という考え方が、脂肪を長期的に減らすための栄養管理の基本であり、特定の栄養素を排除する方法より継続しやすいとされています。体脂肪の変化は食事管理・運動を始めてから男性で約2ヶ月・女性で約3〜6ヶ月が必要とされているため、1〜2ヶ月は継続して効果を評価することが重要です。

脂肪を減らすことについて医療機関へのご相談

食事管理・運動・生活習慣の3つを整えて継続しているにもかかわらず体脂肪がなかなか落ちない・健康診断で内臓脂肪の蓄積や肥満を指摘された・持病や服用中のお薬があり自己流での取り組みに不安があるという方は、医療機関への相談を検討することも選択肢の一つです。

自己流では改善が難しい場合、代謝・ホルモンバランス・甲状腺機能など医学的な要因が脂肪の蓄積に影響している可能性があります。

医療機関への相談が向いている方

食事管理・運動を継続しているにもかかわらず体重・体脂肪率がまったく変化しない方は、甲状腺機能低下症・副腎皮質ホルモンの異常・インスリン抵抗性など医学的な要因が背景にある可能性があります。

BMI(体格指数)が25以上の肥満に該当する方や、健康診断で内臓脂肪の蓄積・血糖値・血中脂質の異常を指摘された方は、医師の管理のもとで適切な食事指導・運動指導を受けることが健康リスクを抑えながら効果的に脂肪を減らすうえで推奨されています[4]。

「何度取り組んでも続かない・結果が出ない」という方は、方法や医学的背景が影響している可能性があり、専門家に相談することで自分の状態に合った脂肪の減らし方を見つけやすくなります。

よくある質問

脂肪を減らすには食事と運動どちらが大切ですか?

脂肪を減らすうえでは、食事管理のほうが運動よりも直接的に効果に影響するとされています。アンダーカロリーを実現するうえで、運動による消費カロリーの増加よりも食事による摂取カロリーの管理のほうが効率よく達成しやすいためです。

ただし、運動を組み合わせることで筋肉量を維持して基礎代謝を守れるため、食事管理のみで取り組む場合よりもリバウンドしにくくなるとされています[3]。

「食事管理を主軸に、運動を補助的に組み合わせる」という考え方が、脂肪を効率よく減らすための最も実践的なアプローチです。

内臓脂肪と皮下脂肪はどちらが落としやすいですか?

内臓脂肪のほうが皮下脂肪より落としやすいとされています。内臓脂肪は代謝活動が活発であるため、食事改善と運動によって比較的早い段階で変化があらわれやすく、男性の場合は食事管理開始から約2ヶ月後に体型の変化が見えやすくなるとされています[2]。

一方、皮下脂肪は代謝活動が穏やかであるため変化があらわれるまでの期間が長く、女性では約3〜6ヶ月の継続が必要とされています。

「特定の部位の脂肪だけを選択的に減らすこと(部分やせ)」は科学的に難しいとされており、全身の体脂肪率を下げることで結果的に気になる部位の脂肪も減少していくというアプローチが正しい方向性です。

脂肪が落ち始めるまでどのくらいかかりますか?

脂肪が落ち始めるまでの期間は脂肪の種類・性別・取り組みの内容によって異なりますが、内臓脂肪(男性に多い)は約2ヶ月後に体型変化が見えやすくなり、皮下脂肪(女性に多い)は約3〜6ヶ月の継続が必要とされています。

体脂肪1kgを燃焼するには約7,200kcalの消費が必要であり、1日300kcalのアンダーカロリーを維持した場合、体脂肪1kgが減るまでに約24日かかる計算となります[1]。

「体重が落ちない=脂肪が落ちていない」とは限らず、体重計だけでなく体脂肪率・ウエスト周囲径の変化も合わせて確認することが推奨されます。

有酸素運動は何分以上おこなうと脂肪が燃えますか?

近年の研究では1日30分を1回おこなうのと10分を3回おこなうのでは脂肪燃焼効果に差がないことがわかってきており、まとまった時間が確保できない日でも「10分×2〜3回」という分割アプローチで合計20〜30分以上の有酸素運動をおこなうことで、脂肪燃焼効果を得ることが期待できるとされています[3]。

脂肪燃焼に最適な強度は「少し汗ばむ程度・会話ができる程度」であり、この強度を維持しながら週3〜5日・1日あたり合計30分以上の有酸素運動を継続することが推奨されています[3]。

有酸素運動の前に10〜15分の筋トレをおこなうことで脂肪が分解されやすい状態がつくられ、その後の有酸素運動での脂肪燃焼効率がさらに高まるとされているため、組み合わせることが推奨されています。

まとめ

脂肪を減らすためには、内臓脂肪・皮下脂肪の種類と特徴を正しく理解することが出発点です。内臓脂肪は約2ヶ月・皮下脂肪は約3〜6ヶ月を目安として焦らず継続できる取り組みを設計することが、リバウンドを防ぐうえで重要です。

食事管理では、タンパク質の確保・ベジファースト・低GI主食への切り替え・食物繊維の積極摂取・精製された糖質と高脂質食品の制限という5つのポイントを組み合わせることが基本です。

運動では「筋トレ→有酸素運動」の順番で週2〜3日の筋トレと週3〜5日・合計30分以上の有酸素運動を組み合わせ、日常活動の積み増しも意識することが推奨されます。

生活習慣では、1日7〜8時間の睡眠・ストレス管理・毎朝の体重記録・規則正しい食事リズム・十分な水分補給の5点を整えることで、食事管理と運動の効果をより引き出しやすくなります。

「急いで落とす」ではなく「正しいアプローチを継続する」ことが、脂肪を健康的に減らしてリバウンドしない体をつくる唯一の根本です。

参考文献

[1] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586553.pdf

[2] 厚生労働省 e-ヘルスネット「肥満と健康」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-02-001.html

[3] 厚生労働省 e-ヘルスネット「身体活動とエネルギー代謝」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/exercise/s-02-001.html

[4] 日本肥満学会「肥満症診療ガイドライン2022」
https://www.jasso.or.jp/data/magazine/pdf/medicareguide2022_09.pdf

[5] 厚生労働省 e-ヘルスネット「食物繊維の必要性と健康」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-05-001.html

[6] 厚生労働省 e-ヘルスネット「レジスタンス運動」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/exercise/s-04-002.html

[7] 厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/suimin/index.html

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