ダイエット中の1食のカロリー目安は?朝・昼・夜の配分方法と食事例・リバウンドしない設定のコツをわかりやすく解説

「減量中は1食何カロリーにすればよいのだろう」と悩んだことはないでしょうか。

1日の摂取カロリーを意識していても、朝・昼・夜それぞれの食事にどう配分すればよいかがわからず、なんとなく食事量を減らしているだけという方は少なくありません。

減量中の1食あたりのカロリー目安は、性別・年齢・身体活動レベルによって異なりますが、厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」をもとに自分に合った目安を計算することができます。[1]

カロリーを減らしすぎると基礎代謝が低下して筋肉量が落ち、かえってリバウンドしやすい体質になるリスクがあることも、減量を成功させるうえで理解しておくべき重要なポイントです。[2]

本記事では、ダイエット中の1日・1食あたりのカロリー設定の考え方から、朝・昼・夜の理想的な配分方法・低カロリーで満足感を得るための食事の工夫・カロリー不足のリスクまでを順にお伝えします。

無理なく続けられるカロリー管理の方法を身につけて、リバウンドしない減量を目指しましょう。

目次

ダイエット中の1日の摂取カロリーの考え方

ダイエット中の1食あたりのカロリーを正しく設定するためには、まず「1日にどれくらいのカロリーを摂るべきか」という大枠を理解することが必要です。

1食のカロリー目安は1日の総摂取カロリーを食事回数で配分することで導き出されるため、1日の目標カロリーが定まっていないと1食の基準も設定できません。

1日の目標カロリーは、推定エネルギー必要量・基礎代謝量・減量ペースの3つの要素をふまえて設定することが、健康的な減量の基本となります。[1]

推定エネルギー必要量とダイエット目標の関係

推定エネルギー必要量とは、体重を現状維持するために1日に必要なエネルギー量の推計値であり、厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」において性別・年齢・身体活動レベルごとに示されています。[1]

減量を目的とする場合は、この推定エネルギー必要量より少ないカロリーを摂取することで摂取カロリーと消費カロリーの差(カロリー収支のマイナス)を生み出し、体脂肪をエネルギーとして消費させることが基本的な仕組みです。

身体活動レベルⅡ(ふつう)の場合の推定エネルギー必要量の目安は以下のとおりです。[1]

  • 女性(身体活動レベルⅡ):18〜29歳 2,000kcal/30〜49歳 2,050kcal/50〜64歳 1,950kcal
  • 男性(身体活動レベルⅡ):18〜29歳 2,650kcal/30〜49歳 2,700kcal/50〜64歳 2,600kcal

この推定エネルギー必要量から1日200〜500kcal程度削減した値をダイエット中の1日の摂取カロリー目標として設定することが、無理のない健康的な減量の基準とされています。[2]

たとえば30代女性(身体活動レベルⅡ)であれば、推定エネルギー必要量2,050kcalから300kcal削減した1,750kcal前後が減量中の1日の摂取カロリー目標の目安となります

基礎代謝を下回らないことが大原則

ダイエット中の摂取カロリーを設定するうえで、もっとも重要なルールが「基礎代謝量を下回らないこと」です。

基礎代謝量とは、安静な状態でも呼吸・体温維持・内臓の働きなど生命を維持するために消費される最低限のエネルギー量であり、1日の総消費カロリーの約60%を占めます。[3]

摂取カロリーが基礎代謝量を下回る状態が続くと、からだはエネルギー不足を補うために筋肉を分解してエネルギーとして利用するようになり、筋肉量の低下・基礎代謝のさらなる減少という悪循環を招きます。[2]

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」をもとにした年代別基礎代謝量の目安は以下のとおりです。[1]

  • 女性:18〜29歳(体重50kg想定)約1,105kcal/30〜49歳(体重53kg想定)約1,150kcal/50〜64歳(体重54kg想定)約1,118kcal
  • 男性:18〜29歳(体重64kg想定)約1,536kcal/30〜49歳(体重68kg想定)約1,516kcal/50〜64歳(体重68kg想定)約1,476kcal

減量中であっても、1日の摂取カロリーは必ず自分の基礎代謝量を上回る範囲に設定することが、代謝低下とリバウンドを防ぐうえでの大原則です

1日200〜500kcal削減が健康的なペースの目安

体脂肪1kgを消費するためには約7,200kcalのエネルギー収支のマイナスが必要とされています。[2]

1日500kcalの削減を続けた場合、体脂肪のみで計算すると約2週間で1kg減量できる計算となりますが、実際には水分や筋肉量の変化も伴うため、月に0.5〜1kg程度のペースが健康的な減量ペースの目安とされています。[4]

1日の削減幅が200〜500kcalの範囲であれば、基礎代謝量を大きく下回るリスクを避けながら体脂肪を少しずつ減らすことができ、リバウンドしにくい体づくりにつながります

逆に1日500kcalを大幅に超える急激な削減は、筋肉量の低下・代謝の著しい低下・栄養不足をまねくリスクが高くなるため推奨されません。[2]

ゆっくりでも確実に」という考え方で、無理のない範囲のカロリー削減を継続することが、長期的な減量成功につながる基本的なアプローチです。

ダイエット中の1食あたりのカロリー目安

1日の目標摂取カロリーが決まったら、次のステップはそれを朝・昼・夜の3食にどう配分するかです。

一般的に3食均等に配分する場合は1日の目標カロリーを3で割った値が1食の目安となりますが、間食を取り入れる場合は間食分のカロリー(目安100〜200kcal)を差し引いたうえで3食に配分することが基本です。[1]

女性の1食カロリー目安(年代別)

減量中の女性の1日の目標摂取カロリーは、推定エネルギー必要量から1日200〜500kcal削減した値が目安となります。

身体活動レベルⅡ(ふつう)の女性が1日300kcal削減する場合の年代別1日目標カロリーと1食あたりの目安(3食均等配分・間食なし)は以下のとおりです。[1]

  • 18〜29歳女性:1日目標カロリー目安 1,700kcal前後 / 1食あたり目安 約567kcal
  • 30〜49歳女性:1日目標カロリー目安 1,750kcal前後 / 1食あたり目安 約583kcal
  • 50〜64歳女性:1日目標カロリー目安 1,650kcal前後 / 1食あたり目安 約550kcal

間食(100〜200kcal)を取り入れる場合は、1食あたりの目安をさらに33〜67kcal程度引き下げて調整することで、1日の目標カロリー内に収めることができます。

女性は男性と比べて基礎代謝量が低い傾向があるため、1日の摂取カロリーを極端に減らすと基礎代謝量を下回りやすくなる点にとくに注意が必要です。[2]

1食500〜600kcal前後を目安として、たんぱく質・野菜・主食をバランスよく組み合わせることが、満足感を保ちながら減量を続けるうえで重要なポイントとなります。

男性の1食カロリー目安(年代別)

男性は女性と比べて筋肉量・基礎代謝量ともに高いため、減量中であっても1食あたりの目安カロリーは女性より多く設定できます

身体活動レベルⅡ(ふつう)の男性が1日400kcal削減する場合の年代別1日目標カロリーと1食あたりの目安(3食均等配分・間食なし)は以下のとおりです。[1]

  • 18〜29歳男性:1日目標カロリー目安 2,250kcal前後 / 1食あたり目安 約750kcal
  • 30〜49歳男性:1日目標カロリー目安 2,300kcal前後 / 1食あたり目安 約767kcal
  • 50〜64歳男性:1日目標カロリー目安 2,200kcal前後 / 1食あたり目安 約733kcal

男性の場合も間食(100〜200kcal)を取り入れる際は、その分を1食あたりのカロリーから差し引いて調整します。

50代以降の男性は加齢による筋肉量・基礎代謝量の低下が進みやすく、若い頃と同じ感覚で食事量を設定するとカロリー過多になりやすい点に注意が必要です。[3]

年齢とともに活動量や基礎代謝量が変化するため、体重・体調の変化を定期的に確認しながら目標カロリーを見直すことが推奨されます

間食のカロリーも含めた1日の配分

ダイエット中の間食は「食べてはいけないもの」ではなく、適切に取り入れることで食事間の空腹感を和らげ、次の食事での過食を防ぐ効果が期待できます

間食のカロリー目安は1日100〜200kcal以内が一般的な基準とされており、この範囲内であれば1日の目標カロリーに含めて管理することができます。[2]

間食として取り入れやすいカロリーの目安は以下のとおりです。

  • ヨーグルト(無糖・100g):約62kcal
  • ゆで卵(1個):約91kcal
  • 素焼きナッツ(20g):約120kcal
  • バナナ(1本・約100g):約86kcal
  • チーズ(プロセスチーズ・1個18g):約61kcal

間食の内容は、たんぱく質・食物繊維・ビタミン・ミネラルなど、減量中に不足しやすい栄養素を補える食品を選ぶことが理想的です。[1]

菓子類や菓子パン・清涼飲料水などは少量でもカロリーが高く栄養密度が低いため、減量中の間食としては避けることが推奨されます。

1日の食事配分の例(女性・1日1,750kcal目標の場合)としては、朝食500kcal・昼食600kcal・夕食500kcal・間食150kcalという組み合わせが無理なく続けやすい配分の一つです。

朝・昼・夜の理想的なカロリー配分

1日の目標カロリーと1食あたりの目安が把握できたら、次は朝・昼・夜それぞれの食事にどのようにカロリーを配分するかを考えます。

3食を均等に割り振ることが基本ですが、時間帯によってからだのエネルギー消費の特性が異なるため、食事の役割に合わせた配分を意識することがより効果的な減量につながります。[3]

とくに夕食のカロリーを抑え、朝食・昼食にエネルギーを集中させる配分は、1日を通じたエネルギー消費の効率を高めるうえで有効なアプローチとして知られています。[2]

朝食のカロリー目安と役割

朝食は1日のエネルギー代謝を活性化させる重要な食事であり、減量中であっても抜いてしまうことは推奨されません

朝食を抜くと昼食・夕食での過食につながりやすく、1日全体のカロリーコントロールが難しくなるとともに、血糖値の急激な変動をまねきやすくなります。[2]

減量中の朝食カロリーの目安は、1日の目標摂取カロリーの約25〜30%が一般的な基準とされています。1日の目標カロリーが1,750kcalの女性であれば朝食は約440〜525kcal、2,300kcalの男性であれば約575〜690kcalが目安の範囲となります。

朝食では、1日の活動エネルギーを確保するために炭水化物(主食)をしっかり摂りつつ、たんぱく質(卵・納豆・豆腐・ヨーグルトなど)を組み合わせることで血糖値の上昇をゆるやかにし、腹持ちをよくすることができます。[1]

朝食の具体的な組み合わせ例としては、ご飯(150g・252kcal)・納豆(1パック・100kcal)・味噌汁(1杯・40kcal)・ゆで卵(1個・91kcal)で合計約483kcalとなり、減量中の朝食として栄養バランスの整った構成となります。

昼食のカロリー目安と選び方

昼食は3食のなかでもっとも多くのカロリーを配分できる食事です。午後の活動エネルギーを確保するために、昼食のカロリーは1日の目標摂取カロリーの約30〜35%を目安に設定することが推奨されます。[2]

1日の目標カロリーが1,750kcalの女性であれば昼食は約525〜612kcal、2,300kcalの男性であれば約690〜805kcalが目安の範囲となります。

外食や弁当が中心になりやすい昼食では、定食スタイル(主食・主菜・副菜・汁物)を選ぶことでPFCバランスが整いやすく、必要な栄養素を確保しながらカロリーをコントロールしやすくなります。[1]

コンビニや外食を利用する際のカロリー管理のポイントとして、揚げ物よりも焼き物・蒸し物・煮物を選ぶ・定食には小鉢の野菜料理を追加する・丼物よりも定食形式を選ぶという3つの選択基準を意識するだけで、自然と摂取カロリーを抑えやすくなります。

昼食の具体的な組み合わせ例としては、ご飯(150g・252kcal)・鶏むね肉の塩焼き(100g・116kcal)・野菜サラダ(100kcal)・豆腐の味噌汁(60kcal)で合計約528kcalとなり、たんぱく質・食物繊維・炭水化物をバランスよく摂れる構成となります。

夕食のカロリー目安と注意点

夕食は3食のなかでもっともカロリーを抑えることが推奨される食事です。夜間は日中と比べて活動量が少なくエネルギー消費が低下するため、夕食のカロリーが高いと余剰エネルギーが体脂肪として蓄積されやすくなります。[3]

減量中の夕食カロリーの目安は、1日の目標摂取カロリーの約25〜30%程度に抑えることが理想的とされています。1日の目標カロリーが1,750kcalの女性であれば夕食は約440〜525kcal、2,300kcalの男性であれば約575〜690kcalが目安の範囲となります。

夕食で意識したいポイントとして、炭水化物(主食)の量を朝・昼より少なめに設定し、その分たんぱく質と野菜の比率を高めることが体脂肪の蓄積を抑えるうえで効果的です。[1]

また就寝の2〜3時間前までに夕食を済ませることが、胃への負担を軽減するとともに夜間の余剰エネルギーの蓄積を防ぐ観点からも推奨されます。

夕食後に空腹感が強い場合は、就寝前に無糖ヨーグルト・温かい飲み物・少量のナッツなど100kcal以内の軽食で対応することで、空腹によるストレスを和らげながらカロリー管理を継続しやすくなります。

夕食の具体的な組み合わせ例としては、ご飯(100g・168kcal)・鮭の塩焼き(80g・112kcal)・ほうれん草のおひたし(50kcal)・豆腐と野菜の味噌汁(70kcal)で合計約400kcalとなり、消化に負担の少ない構成としながらたんぱく質と食物繊維を確保できます。

1食のカロリーを抑えるための食事の工夫

1食あたりのカロリー目安を把握したうえで、次に重要なのは「その目安の範囲内でいかに満足感を得ながら食べるか」という工夫です。

カロリーを抑えようとして食事量を単純に減らすだけでは、空腹感・ストレス・栄養不足につながりやすく、減量の継続が難しくなります。食材の選び方・食べる順番・PFCバランスの組み立て方という3つの視点から工夫することで、同じカロリー範囲内でも満足感と栄養バランスを両立させることができます。[1]

低カロリーで満足感を得られる食材の選び方

減量中の食事では「カロリーが低く・栄養密度が高く・腹持ちがよい」食材を中心に選ぶことが、1食のカロリーを抑えながら満足感を得るための基本的なアプローチです。

たんぱく質は三大栄養素のなかでもっとも腹持ちがよく、筋肉量の維持にも欠かせない栄養素です。減量中にとくにおすすめのたんぱく質源としては、鶏むね肉(100gあたり約116kcal)・鶏ささみ(100gあたり約105kcal)・豆腐(木綿・100gあたり約72kcal)・卵(1個約91kcal)・魚(鮭・たら・かれいなど白身魚)が低カロリーかつ高たんぱくで活用しやすい食材です。[4]

野菜は全般的にカロリーが低く食物繊維が豊富であるため、食事のボリュームを増やしながらカロリーを抑えるうえで非常に効果的な食材です。とくにキャベツ・ほうれん草・ブロッコリー・きのこ類・海藻類は食物繊維が多く血糖値の上昇をゆるやかにする効果が期待でき、減量中の副菜として積極的に活用することが推奨されます。[1]

主食は精白米・食パン・うどんなどの精製された炭水化物よりも、玄米・雑穀米・全粒粉パン・そばなど食物繊維が豊富なものを選ぶことで、同じカロリーでも消化吸収がゆるやかになり腹持ちが向上します。

揚げ物・バター炒め・マヨネーズを多用した料理は脂質によってカロリーが大幅に増加するため、蒸す・焼く・煮るという調理方法に変えるだけで1食あたりのカロリーを100〜200kcal程度抑えることができます

食べる順番・食べ方でカロリーコントロール

食材の選び方と並んで重要なのが、食べる順番と食べ方の工夫です。

食事の際に野菜・汁物から食べ始めるベジファーストは、食物繊維が糖質の吸収を緩やかにすることで食後の血糖値の急上昇を抑え、脂肪の蓄積をまねくインスリンの過剰分泌を防ぐ効果が期待できます。[2]

食べる順番の基本は、「①野菜・海藻・きのこ類(食物繊維)→②汁物→③主菜(たんぱく質)→④主食(炭水化物)」の順に食べることです。この順番を意識するだけで、同じ食事内容であっても血糖値の変動が抑えられ、余分な体脂肪の蓄積を防ぎやすくなります。

よく噛んでゆっくり食べることも、カロリーコントロールにおいて非常に効果的な習慣です。食事を始めてから満腹感を感じるまでには約20分かかるとされており、早食いは満腹感を感じる前に食べすぎてしまう原因となります。[3]

1口30回を目安によく噛んで食べることで、少ない食事量でも満腹感を得やすくなり、自然と摂取カロリーを抑えることができます。

食事中に水やお茶を適宜飲むことも、胃を膨らませて食べすぎを防ぐうえで効果的なアプローチの一つです

PFCバランスを意識した献立の組み立て方

カロリーを目標範囲内に収めながら栄養バランスを整えるためには、PFCバランス(たんぱく質・脂質・炭水化物の比率)を意識した献立の組み立てが重要です

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、エネルギー産生栄養素のバランスの目標量としてたんぱく質13〜20%・脂質20〜30%・炭水化物50〜65%が示されており、減量中もこの範囲を大きく外れないことが推奨されます。[1]

1食600kcalを目標とした場合のPFCバランスの目安は以下のとおりです。

栄養素エネルギー比率カロリー目安グラム数目安
たんぱく質(P)13〜20%78〜120kcal約20〜30g
脂質(F)20〜30%120〜180kcal約13〜20g
炭水化物(C)50〜65%300〜390kcal約75〜98g

献立を組み立てる際の実践的な方法として、主食・主菜・副菜・汁物の「一汁三菜」を基本形として意識することが、PFCバランスを自然に整えるうえでもっとも取り組みやすいアプローチです。

主食でエネルギー源となる炭水化物を確保し、主菜でたんぱく質と適度な脂質を摂り、副菜の野菜・きのこ・海藻で食物繊維・ビタミン・ミネラルを補うという役割分担を意識するだけで、特別な計算をしなくてもバランスの整った食事に近づけることができます。[1]

減量中に脂質を極端に制限しすぎるとホルモンバランスの乱れ・脂溶性ビタミンの吸収低下・肌荒れなどのリスクが生じる可能性があるため、脂質もPFCバランスの範囲内で適切に摂ることが大切です。[2]

カロリーを減らしすぎることのリスク

減量を急ぎたい気持ちから、1食のカロリーを極端に減らしてしまう方は少なくありません。

しかし摂取カロリーを大幅に制限しすぎると、体重が一時的に減ったとしても代謝低下・筋肉量の減少・リバウンドという深刻な問題につながることが、多くの研究で報告されています。[2]

減量を長期的に成功させるためには「いかに速く体重を落とすか」ではなく「代謝を落とさずに体脂肪を減らし続けられるか」という視点でカロリー設定をおこなうことが重要です

代謝低下・筋肉量減少のメカニズム

摂取カロリーが基礎代謝量を大幅に下回る状態が続くと、からだは生命維持を優先するためにエネルギー消費を抑える「省エネモード」に切り替わります。

この省エネモードでは、まず筋肉がエネルギー源として分解されるため、筋肉量が急速に低下します。[3]

筋肉量が低下すると基礎代謝量がさらに下がるため、同じカロリーを摂っても以前より太りやすくなるという悪循環が生じます

加えて、極端なカロリー制限が続くと甲状腺ホルモンの分泌が低下してエネルギー代謝全体が落ちることも報告されており、体重が減りにくくなる「停滞期」が長く続く原因にもなります。[2]

とくに成人女性では、過度なカロリー制限による「やせ」が骨密度の低下・月経不順・貧血・免疫機能の低下などのリスクを高めることが厚生労働省 e-ヘルスネットでも指摘されており、体重の数字だけを追い求めることの危険性が強調されています。[2]

筋肉量を維持しながら体脂肪を減らすためには、摂取カロリーを適切な範囲に保ちながら、たんぱく質の摂取量を十分に確保することがもっとも重要なアプローチです

リバウンドしやすくなる理由

極端なカロリー制限によってリバウンドが起きやすくなる理由は、省エネモードに入ったからだが制限食を終えた後に「エネルギーをできるだけ蓄えようとする」という生理的な反応を示すためです

制限中に基礎代謝量が低下した状態でもとの食事量に戻すと、低下した代謝では以前と同じカロリーを消費しきれず、余剰エネルギーが通常より速いペースで体脂肪として蓄積されます。[4]

その結果、減量前より体重が増えてしまう「リバウンド」が発生しやすくなり、さらに筋肉量が減った分だけ体脂肪の割合が増えた「隠れ肥満」の状態になるケースも少なくありません。[2]

リバウンドを防ぐためのもっとも有効な方法は、減量中から「減量後も続けられる食習慣」を作ることです。極端な食事制限に頼らず、1日200〜500kcalの範囲でカロリーを削減しながら栄養バランスを整えた食事を継続することが、減量後の体重維持においても重要な基盤となります。[1]

また減量期から適度な筋力トレーニングを取り入れて筋肉量を維持・増加させておくことで、減量後も基礎代謝量を高い水準に保ちやすくなり、リバウンドしにくい体づくりにつながります。[3]

摂取カロリーの下限ラインと見直し方

減量中の摂取カロリーには、安全に下げられる下限ラインがあります。一般的な目安として、成人女性では1日1,200kcal・成人男性では1日1,500kcalを下回る摂取カロリーは、栄養不足・代謝低下・筋肉量減少のリスクが高まるため避けることが推奨されています。[2]

さらに安全性を高めるためには、自分の基礎代謝量を計算したうえで、その値を下回らないことを最低限のルールとして設定することが重要です。

現在の摂取カロリー設定が適切かどうかを見直す際のチェックポイントは以下のとおりです。

  • 2週間以上体重が変化しない(停滞期)
  • 常に強い空腹感・疲労感・集中力の低下がある
  • 髪の毛が抜けやすくなった・肌荒れが続く
  • 月経不順・月経痛の悪化がある(女性の場合)
  • 筋肉量が落ちて体がだるく感じる

これらのサインが続く場合は、摂取カロリーが不足しているか栄養バランスに偏りが生じている可能性があります。無理な制限を続けるのではなく、1日の摂取カロリーを100〜200kcal程度引き上げて栄養バランスを整え直すことが、長期的な減量成功への近道です。[1]

自己判断での極端なカロリー制限が続く場合や体調不良が改善しない場合は、医療機関や管理栄養士への相談をおすすめします

よくある質問

ダイエット中の1食のカロリーは何kcalが目安ですか?

身体活動レベルⅡ(ふつう)で1日300kcal削減する場合、女性では1食約550〜580kcal・男性では1食約730〜760kcalが目安となります

ただしこの数値は年齢・体格・活動量によって異なるため、まず自分の推定エネルギー必要量を確認したうえで1日の目標カロリーを設定し、それを3食に配分する方法で自分に合った目安を導き出すことが推奨されます。

間食を取り入れる場合は1日100〜200kcalを間食分として確保し、残りを3食に配分して調整してください。

朝・昼・夜でカロリーの配分はどう変えるべきですか?

朝食は1日の目標カロリーの約25〜30%・昼食は約30〜35%・夕食は約25〜30%を目安に配分することが推奨されます。

昼食にもっとも多くのカロリーを配分し、夜間は活動量が低下するため夕食のカロリーをもっとも抑えるという考え方が、体脂肪の蓄積を防ぐうえで効果的です。

夕食では炭水化物をやや少なめにしてたんぱく質と野菜の比率を高めることが、就寝前の余剰エネルギーを抑えるうえで実践しやすいアプローチとなります

1食のカロリーを減らしすぎるとどうなりますか?

摂取カロリーが基礎代謝量を大幅に下回る状態が続くと、からだが省エネモードに切り替わり筋肉を分解してエネルギーとして利用するようになります

その結果、筋肉量・基礎代謝量が低下して太りやすく痩せにくい体質になるとともに、制限をやめた際にリバウンドしやすくなるリスクが高まります。

女性では骨密度の低下・月経不順・貧血などのリスクも指摘されているため、成人女性は1日1,200kcal・成人男性は1日1,500kcalを下回らないことが安全な減量の基準とされています

間食はダイエット中に食べてもよいですか?

1日100〜200kcalの範囲内であれば、間食を取り入れることは減量中でも問題ありません

適切な間食は食事間の空腹感を和らげ、次の食事での過食を防ぐ効果が期待できるため、うまく活用することが継続的なカロリー管理につながります。

間食の内容はヨーグルト・ゆで卵・素焼きナッツ・果物など、たんぱく質・食物繊維・ビタミンを補える栄養密度の高い食品を選び、菓子類・菓子パン・清涼飲料水は避けることが推奨されます

まとめ

ダイエット中の1食あたりのカロリー目安は、身体活動レベルⅡ(ふつう)で1日300〜400kcal削減する場合、女性で1食約550〜580kcal・男性で1食約730〜760kcalが基準となります

朝・昼・夜の理想的な配分は朝食25〜30%・昼食30〜35%・夕食25〜30%であり、夕食のカロリーをもっとも抑えて炭水化物よりたんぱく質と野菜を中心とした構成にすることが体脂肪の蓄積を防ぐうえで効果的です

食材はたんぱく質・野菜・食物繊維を中心に選び、ベジファーストとよく噛んでゆっくり食べる習慣を取り入れることで、同じカロリー範囲内でも満足感を得やすくなります

成人女性1日1,200kcal・成人男性1日1,500kcalを下回る極端なカロリー制限は代謝低下・筋肉量減少・リバウンドのリスクを高めるため、基礎代謝量を下回らない範囲で無理なく継続できるカロリー設定をおこなうことが、長期的な減量成功の基本です

参考文献

[1] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/eiyou/syokuji_kijyun.html

[2] 厚生労働省 e-ヘルスネット「肥満と健康」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-02-001.html

[3] 厚生労働省 e-ヘルスネット「身体活動とエネルギー代謝」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/exercise/s-02-004.html

[4] 日本肥満学会「肥満症診療ガイドライン2022」

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